文献探しはI-Scover とともに (第3回最終回)

ゼロから始める気ままなI-Scover 生活 (4/5)


五味 弘 = OKI (沖電気工業) エバンジェリスト | 2017年8月30日


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Cパート「I-Scover の中はSPARQLのケダモノでした」

I-Scover には外部連携用 API として、SPARQL(スパークル)というSQLに類似した構文形式の RDFクエリ言語が用意されている。もしSQLやRDFという単語にアレルギー反応のある人はこの節を読まなくていい。スルーするが良い。君が使わなくても誰かが作ってくれるから安心していい。

SPARQLにより、I-Scoverはハッカーの格好の餌食になる。食い荒らされる。事実、I-Scoverをハックした色々なものが提案され、既に稼動している。例えば、論文の動向を図で表現するアプリも提案され、どこかでひっそりと動作している。毎年のキーワードランキングを拾い挙げるアプリ、流行の研究テーマがハイプカーブで分かるアプリなど、多種多様なアプリが繁殖している。

I-Scoverはハッカーの狩場になっている。君がハッカーを自認するなら、I-ScoverでSPARQL を使ってアプリを作ってみるといい。え?公式APIを使うようでは、ハッカーと言えないだと?きっと、君はハッカーだ。少なくとも恰好だけは。

I-Scover はSPARQLを使えば、便利な検索ができるので、使いつぶしが利くシステムである。アイディア次第でSPARQL を使って「何でもできる」(あるハッカー談)。まるで麻薬のようなシステムである。君がハッカーでなく、ハッカーを目指さないなら、深入りしない方がいい。SPARQLの深遠を見てはいけない。深遠から見られることになる。

SELECT ?name ?organization
{
  ?s  a      iscover:Person;
     foaf:name  ?nameV;
     vcard:org  ?org.
  ?org	 foaf:name    ?organizationV.
    BIND(str(?nameV) AS ?name).
    BIND(str(?organizationV) AS ?organization).
} limit 100

これがSPARQLの呪文のひとつである。このような呪文が理解でき、このような呪文が唱えられるようになるまで、深入りはよすんだ。それが君のためだ。

次ページ  エピローグ「この素晴らしい I-Scoverに祝福を」

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関連ページ
第1回「I-Scover は語りたい −文献探しに出会いを求めるのは間違っているだろうか」
第2回「I-Scover なにしていますか?暇ですか?検索してもらっていいですか?」
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